パリつぶ

パリジェンヌたちのつぶやき

ミッシェルクリュイゼルのショコラと新しい恋への期待

f:id:bonjour-paris:20180731112110j:plainエマ

 

 夕食後、ぼーっとテレビを見ていると、出産休暇中の同僚リザからSMSが届く。リザの夫ニコラの会社に新しく入って来た男性を私に紹介したいのだという。

 

自称“愛のキューピット”のリザは、シングルの男女をくっつけるのが趣味。自宅で夕食会やアペリティフパーティをよく開き、カップルの他にいつも必ず独身の男女を招いて、仲を取り持とうとする。

 

“その彼プログラマーなんだけど、あなたに合うんじゃないか、ってニコラが言うの。よかったら会ってみない?”

私の好きなタイプをニコラが知っているとは思えないから、ただリザに「だれか恋人募集中の子、いない?」って聞いた程度だろうけど、

“別に構わないわよ。”

と返事を送る。

“二人だけで会ってもらってもいい?”

確かに、乳飲み子を抱えていたら、パーティを開くどころじゃないわね。

“いいわよ”

“彼、チョコレートが大好きで、ショコラティエに詳しいんだって。あなたもチョコレートは好きでしょう?”

世の中にチョコレートが好きじゃない女性なんているのかしら?と思いながらも、

“それは素敵ね”

と答えると、土曜の午後に会えるようにセッティングしてくれることに。

 

金曜の夕方にやっと、待ち合わせのショコラティエ、ミッシェルクリュイゼルのアドレスをリザが送って来た。

“この店の併設のカフェに15時。目印にハート色のフランボワーズのマカロンをテーブルに置くこと”

ハート色の、ってフランボワーズは赤いのが当たり前よね。

“どんな男性かはその日のお楽しみ。では、楽しんで”

とリザ本人が楽しんでいる様子だ。

 

 

それでも、土曜の朝はなんだかそわそわした気分になって、どの服を着て行こうかなんて思い悩む。ワンピースじゃ物欲しげかしら?かと言って穴の空いたGパンじゃ、ラフすぎるし・・。

結局、青いストライプシャツに黒のパンツ、トレンチコートと無難な格好にする。

 

パリは秋もたけなわ。もう冬の気配さえ感じられる。

 

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目的の店には、少し早く着いてしまった。カフェにはカップルが一組いただけで、それらしき人はいない。

 

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リザの指定フランボワーズのマカロンエスプレッソを注文して、持って来たペーパーバックの本を読み始める。スマホをいじって待っているのは失礼かな、と思ったので。

 

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3時ぴったりに店に入って来て、まずハート色のマカロンに下ろした視線を私の方に上げて微笑んだのは、ブラウンのコーデュロイパンツをはき、ツイードのジャケットのポケットからショコラ色のポケットチーフをのぞかせ、あごひげを生やした、ショコラ男爵とあだ名をつけたくなるような風体の男性だった。